慶應義塾幼稚舎に入学するためには

幼稚舎と横浜初等部、株式投資ネタへのアクセスとPVが多いので、ここでは特化てみようとタイトルも変えました

2010-01-01から1年間の記事一覧

バランス・オブ・パワー、リアリスト:伊藤貫「中国の『核』が世界を制す」PHP

本書は自民党の有力政治家元秘書がすすめてくれた本だ。 国際政治、日米間家を含めた日中関係を理解するには良書だ。 政治の世界に「リアリスト派」という言葉があることは驚きだ。 そもそも政治に現実以外の何を期待できるのだろうか。 本書ではリアリスト…

予定説という恐ろしさ:小室直樹「日本人のための憲法言論」

予定説という言葉をご存じだろうか。 キリスト教をかじれば基本的な用語だが、 「ある人を救済するかどうかは、神が一方的に決める」 という考え方である。 つまりは、人間なんてものがどうあがいたっていみがなくって、神様が救うかどうかはとっくに決めて…

スイカとパスモ

私自身パスモユーザー。 スイカやパスモの土台になっている電子マネーの技術が生活スタイルを変えたという点ではイノベーション。 インフラというのは便利さに気がつかなくなったときにインフラとはじめて呼べるが、スイカやパスモはその域に達している。 乗…

羽生善治「結果を出し続けるために」日本実業出版社

以前羽生名人の講演に参加して、強烈に記憶に残っていることがある。 それは、次の手をさす時のプロセスだ。 ①直感 ②読み ③大局観 ということだ。 はじめは、①から③の順番にぐるぐる回しているのかと思ったら、どうやらそうではないらしい。 ランダムに、①、…

松井信義「知識ゼロからのやきもの入門」幻冬舎

白洲正子の弟子という人のやきもの入門。 私が期待していたのとはすこしずれていたが、入門書としてはよい。 さらっとやきものとは何かを理解するのには効率的だ。 個人的には、釉薬の使い方を細かく解説しているのが欲しかった。 特に、陶器・磁器は釉薬の…

千宗屋「茶 利休と今をつなぐ」新潮選書

官休庵の若宗匠が書いた茶道の一般的な入門書。 茶道は、将棋や囲碁のように決して勝敗がつかないので、千家は千利休以降、家元としてのポジションを保つことができた。 これが、勝敗を決するようなものであれば、同じ家元がこんなに続くなんてことはありえ…

加藤隆「歴史の中の『新約聖書』」ちくま新書

私自身、聖書に初めて接して30年近くになる。 それでも、旧約と新約を含めた聖書全体を読みとおしたことはない。 それでも、聖書とはキリスト教を信じている人たちにはありがたい存在だということは「感じて」はいる。 キリスト教徒でも本当に聖書を通読して…

四万十川、アカメ、ダーウィンが来た

いやー、今日のNHK教育の「ダーウィンが来た」は見ごたえがあった。 なんと「アカメ」特集。 アカメなんて知る人ぞ知る魚だと思っていたが・・・(地元のおばちゃんは全国区でしょみたいなこといっていたが)。 今回の特集は、四万十川に棲むアカメの生態を…

辻野晃一郎という生き方

辻野晃一郎氏はグーグル日本法人の元社長。 彼はグーグルでの3年間を綴っている。 本書を読んでの最初の印象は グーグルにとって日本なんていう市場はちっぽけな存在なのかな というのが一番大きい。 そもそも彼が退職したのはグーグルの本社のグローバルオ…

ミッションとバリュー:ジャック・ウェルチ「ウィニング」日経新聞社

GEの元CEOジャック・ウェルチが「ウィニング」でミッションについて語っている。 「ミッションとは、どうやってそのビジネスで勝とうとしているのか」 つまりはどうやって利益を出そうとしているのか、そのためには戦略としてリソースをどこにさけば良いのか…

グローバル企業調査会「世界業界マップ2011」ダイヤモンド社

市場シェアというのはスナップショットにすぎないが、実はそのシェアの持つ意味は実は大きい。 シェアNo.1と2は情報を入手することでのアドバンテージは天と地との差がある。 仮に、ある企業が面白い技術なりサービスを他のパートナーと一緒に普及させようと…

薬怖い、よく効く薬はもろ刃の剣

中耳炎で医者に処方され、点耳していた薬をなにげなくみていたら、 「耳に入れないこと」 と朱色で書かれていた。 その薬は 塩野義製薬(もとはシェリングプラウ)の「リンデロンA液」というステロイドと抗生物質が混ざったものだ。 何でも長期間にわたって…

増田悦佐「東京圏これから伸びる街」講談社

東京の町の特性を歴史的にまた今後の発展を考える面白い本だ。 2002年の本だが、その後の東京の街の変化を言い当てている部分も多い。 増田悦佐氏は膨大なデータをベースに、大きな見方をつむぎだしていく。 説得力がある。 日本の街、特に東京は世界にでも…

金児昭の考える経営者の役割

経営とはいっても上場会社と非上場の会社では当然違うものだとおもうが、金児昭のいう経営は上場企業であれば至極当然である。 ただ一様に理解されていないところもあるので、特に上場企業の経営者には読むだけでなく、理解してもらいたい。 金児は色々なと…

松永安左エ門「人間福澤諭吉」実業之日本社

松永耳庵こと松永安左エ門の福澤諭吉評である。 慶應の卒業生でもっとも社会にインパクトがあった人物かもしれない。 そして、福沢諭吉が育てたかったモデルケースかもしれない。 松永本人が誰が日本の歴史上えらいかという問いについては 聖徳太子、空海、…

百田尚樹「永遠のゼロ」講談社文庫

生きて帰ってくることが前提とされていない作戦。 それは作戦とよべるものではない自殺行為だ。 太平洋戦争時には、国のために特攻が作戦と認められた中で、「決して死にたくない」という零戦パイロット宮部久蔵を主人公に展開される小説だ。 軍人でありなが…

慶應義塾卒の経営者:田中誠、吉成茂「天馬空を行く 久原房之助物語」日立市民文化事業団

慶應義塾卒業生、久原房之助の漫画である。 漫画の絵はうまくないが、話はうまく書けていて、久原の伝記としては読みやすい。 ただ、この本は通常の本屋では手に入れるのは難しいかもしれない(500円)。 直接、日立市民事業団に連絡をとるのがはやそうだ。 …

慶應幼稚舎入学願書の書き方:石井至「慶應幼稚舎」幻冬舎新書

石井至氏の名前を久しぶりに見た。 確かスエズやバンカーストラストのデリバティブトレーダーだった人だ。 彼が、自らの慶應幼稚舎の受験指導?!の内容をつづったものだ。 結論から言うと、散々褒めてはいるようだが、檄を飛ばしているというのが実際だろう…

キリスト教の歴史:木下康彦、木村靖二、吉田寅「詳説世界史研究」山川出版社

キリスト教の歴史について入りやすいのが、山川出版の高校世界史の教科書に準拠した本書だ。 以下は「詳説世界史研究」を要約しておく。 そもそもはユダヤ教の内部にあっては、様々な派閥があった。 ユダヤ教の知識を独占して守ろうとするパリサイ派、禁欲的…

日本人に足りないキリスト教の理解:三田誠広「ユダの謎キリストの謎」祥伝社

日本人は歴史的にも「神」と「契約」をしていない。 神様がなんであろうと、日本人は祈る側の一方的な「願」ばかりである。 さて、旧約聖書・新約聖書の「約」とは「契約」の意である。 新約の約はキリストが自身を神にささげることで、救済をもとめる契約で…

慶應幼稚舎入試願書の書き方:渡辺徳三郎「福沢諭吉家庭教育のすすめ」慶應義塾出版会

元慶應義塾幼稚舎長、渡辺徳三郎の本で小学館創造選書1985年の復刻版だ。 結論から言うと、 本書の「父母に語る」を熟読しないで幼稚舎願書を書き始めるのは非常に危険。 ということが言える。 「父母に語る」では「仔馬」、「三田評論」などに掲載されたも…

ジェフリー・S・ヤング、ウィリアム・L・サイモン、井口耕二訳「スティーブ・ジョブズ偶像復活」東洋経済

ご存じジョブズの歴史を綴った本だが、本当によく書けている。 おまけに、訳もすごく上手くて、頭にすっとしみこむ感じがする。 大部ではあるが、時間をかけてでも読む価値がある。 スティーブ・ジョブズがいかに仕事でもプライベートでも変人であるかが分か…

医療保険検討、比較:内藤眞弓「医療保険は入ってはいけない!」ダイヤモンド社

保険にそこそこ詳しいと思っていたが、本書は医療保険に入る前に読んでおくべきだった。 「医療保険は保険会社にとっておいしい商品である」 これは、Yesだ。 つまり消費者には損だということだ。 保険会社は終身保険を本体として、医療特約を付けさせること…

アーセン・ベンゲル「勝者のエスプリ」NHK出版

マイケル・ルイスの「マネーボール」のような内容を期待していたが、期待はずれ。 英国サッカーリーグのプレミアリーグに所属するアーセナル監督ベンゲルの著書。 ベンゲルはデータをもとにチームの構成を考えることが知られている。 ところが、「勝者のエス…

ニコラス・G・カー「ITにお金を使うのは、もうおやめなさい」ランダムハウス講談社

標準化されたネットワーク、ITにそもそも競争上の優位性はないという議論は至極まっとうだ。 しかし、カー氏もITの優位性をすべて否定しているわけではない。 たとえば、アメリカン航空の予約システムから発展した「セイバー」などは、先発者のメリットがあ…

慶應幼稚舎受験・入試合格基準:西野浩史「慶応幼稚舎合格バイブル」WAVE出版

本書に書いてある通り、おそらく情報源は麹町慶進幼児教室塾長島村氏によるものだ。 本書を評価するポイントは、そのリソースを信じるかどうかだ。 ここで私が言いたいのは、幼稚舎の入試に倍率なんて関係ないということだ。 本書にも触れられている金子郁容…

子供がなりたい職業ランキング:村上龍、はまのゆか「新13歳のハローワーク」

子供はなりたい職業をどこまでイメージできているだろうか? ベネッセが調査した結果があるが、まあイメージしやすい職業が並ぶ。 http://sankei.jp.msn.com/life/education/100422/edc1004221624002-n1.htm 男女の別や世代によって多少ランキングが変動する…

天才教育:小林秀雄、岡潔「人間の建設」新潮社

数学者岡潔と評論家小林秀雄の対談集である。 岡潔はここでも「情操」が全ての基礎だと言っている。 情操教育なしには情熱も起こりえず、直感もないという。 少し長くなるが、岡の発言を引用する。 「情緒を形に現すという働きが大自然にあるらしい。・・・…

天才教育:岡潔「春の草」日本経済新聞社

日本を代表する数学者、岡潔の半生記である。 私自身まだ消化しきれいな要素が多いが、岡が言っているのは 情操教育の重要性である。 小学校4年生くらいまでは「心」について教えるべきもの、5、6年は「自然」について教えるべきものとしている。 歴史の教育…

桑原晃弥「スティーブ ジョブズ 名語録」PHP出版

この本を読んで、スティーブ・ジョブズが目指しているinnovationは、われわれが普段日本語訳として使っている「技術革新」は誤訳だと理解した。 イノベーションは技術革新ではない。 Websterを見ると確かに、 Introduce something new とあり、別に「技術」…