歴史
秘密結社(シークレット・ソサイエティ)というとおどろおどろしい。 しかし、こう理解するとスムーズだ。 「秘密結社の最大目的は情報をいかに早くかつ正確にとるか」 現代のようにインターネットなどの通信手段がない時代を想像してみよう。 今回の東日本…
とかく陰謀説のみがささやかれる秘密の結社の歴史を丁寧に紐解き、様々な陰謀説を軽くあしらっているのが心地よい。 海野氏の指摘で一番面白かったのが、インターネットの出現により、世界の人がより世界的政府、世界的秘密結社の陰謀説にとりつかれているの…
日本の半導体業界について、飯塚哲哉氏が電子部品流通のイノベーターがつづる グローバル時代の半導体産業論 の中で面白い指摘をしている。 詳しくはを本書を参照をされたいが、 日本の半導体が世界的な大勝利を収めた理由は、 ①人口が増える中で、労働力に…
私自身、聖書に初めて接して30年近くになる。 それでも、旧約と新約を含めた聖書全体を読みとおしたことはない。 それでも、聖書とはキリスト教を信じている人たちにはありがたい存在だということは「感じて」はいる。 キリスト教徒でも本当に聖書を通読して…
慶應義塾卒業生、久原房之助の漫画である。 漫画の絵はうまくないが、話はうまく書けていて、久原の伝記としては読みやすい。 ただ、この本は通常の本屋では手に入れるのは難しいかもしれない(500円)。 直接、日立市民事業団に連絡をとるのがはやそうだ。 …
キリスト教の歴史について入りやすいのが、山川出版の高校世界史の教科書に準拠した本書だ。 以下は「詳説世界史研究」を要約しておく。 そもそもはユダヤ教の内部にあっては、様々な派閥があった。 ユダヤ教の知識を独占して守ろうとするパリサイ派、禁欲的…
日本人は歴史的にも「神」と「契約」をしていない。 神様がなんであろうと、日本人は祈る側の一方的な「願」ばかりである。 さて、旧約聖書・新約聖書の「約」とは「契約」の意である。 新約の約はキリストが自身を神にささげることで、救済をもとめる契約で…
ご存じジョブズの歴史を綴った本だが、本当によく書けている。 おまけに、訳もすごく上手くて、頭にすっとしみこむ感じがする。 大部ではあるが、時間をかけてでも読む価値がある。 スティーブ・ジョブズがいかに仕事でもプライベートでも変人であるかが分か…
佐高信「福沢諭吉伝説」は慶應幼稚舎や慶應に出願する場合は必読の書だ。 福澤諭吉の影響力を示す良書だ。 この本を読むと、福澤諭吉の思想の源や影響力の大きさが分かるはずだ。 その知識を持って、「福翁自伝」を読めば、幼稚舎への出願書類の思いが変わる…
福澤諭吉は意外に知られていないが、三菱と三井の礎を作った男だ。 三菱については、高島炭鉱の三菱への払い下げの際に後藤象二郎と岩崎弥太郎の間をとりもつために、政府の大隈重信を説得した話は先回書いた通り。 また、三井の中上川彦次郎も福澤諭吉の甥…
才能のないものの嫉妬とは恐ろしいものである。 また、それが結果的に歴史の影響を及ぼすことがある。 それは、悲惨としか呼ぶよりほかない。 個人の欲望は満たされるかもしれないが、その後の歴史に与える悪影響の大きさは測り知れない。 この「福沢諭吉の…
龍馬が贋金づくりに奔走していたとは、恥ずかしながら知りませんでした。 とはいっても、当時薩摩や長州のみならず、会津や宇和島藩も贋金づくりをしていたようで、財政難を乗り切るためのソリューションだったようで。特に龍馬だけということでもないそうだ…
通常、歴史は時の権力者によって書かれるストーリーだ。 その権力者の思考のプロセスを理解するというのが早道だ。 ところが、それで歴史がわかったかというとそういうわけではない。 本当の歴史とは、岡田英弘氏の言うように、 「歴史は、人間の住む世界の…
トヨタをはじめ、日本のものづくりの強さがリーマンショック前まではもてはやされていたが、むしろものづくりに自信のあった会社が大赤字にみまわれ、すっかり過去のものづくり信仰をもてはやす向きもない。 ここでは、最近起きた短い期間の話をするのではな…
来年のNHKの大河ドラマは福山雅治主演で龍馬伝だが、岩崎弥太郎の視点から描いていくという。 結構、きわどい視点である。 どのように書き進んでいくのかはわからないが、坂本龍馬が暗殺されたところはどのように扱うのかは、皆が興味のあるところであろ…
空海―平安時代前期 (小学館版学習まんが―ドラえもん人物日本の歴史)は空海を理解する上で読みやすくかつポイントを押さえているので、マンガなのにすごいなあと感心した一冊です。 個人的に空海は日本で最もインテリジェンスをもった人物だと考えています。…