慶應義塾幼稚舎に入学するためには

幼稚舎と横浜初等部、株式投資ネタへのアクセスとPVが多いので、ここでは特化てみようとタイトルも変えました

2011-01-01から1年間の記事一覧

舛添要一「日本政府のメルトダウン」講談社

舛添要一。 彼が自民党を離れて、今は何を考えているのだろうと知りたくなり書店で即購入。 本書は、震災後福島原発問題も含めて政府で何が起きていたかをレビューできる本。 さすが東大助教授を務めただけあって、現状の説明と分析は抜群だ。 菅政権の原発…

欧州危機の本質:白井さゆり「ユーロ・リスク」日本経済新聞

私の大好きなヨーロッパがおかしくなって久しい。 ただ、なんでこんなにひどくなってしまったのか。 ギリシャ国債のデフォルトで騒いでいるが、実はギリシャ債そのものは大したことない。 NHKでも報道していたが、ギリシャのGDPは愛知県と同程度の規模にすぎ…

国広正『修羅場の経営責任』文春新書

最近も粉飾決算といきなりの社長解任劇と混ざった刺激的な事件は現在進行中だ。 旧経営陣は「飛ばし」という粉飾決算を認めた。 解任された社長が検察などから事情聴取を受けるなどに至っている。 今回の件は、経営陣それも何代もの経営のガバナンスがきいて…

畔蒜泰助・平沼光「原発とレアアース」日経プレミアムシリーズ

久々にうなる本だ。 原子力発電に欠かせない燃料のフロントエンドとバックエンドの世界動向を分析している。 電力会社、プラントメーカー、商社等の原子力発電関係者にとっては必読の本である。 ここまで詳細に原子力業界を分析した本に最近は出会っていない…

世紀末に必ずパニックに陥る株式市場、世界経済:関暁夫「都市伝説2」竹書房

今日の記事はいつものまじめなスレッドと違い、半分ふざけています。 ですので、適当に読み流してくださって結構です。 ですが、実は残りの半分はまじめ。 今日の本題は、 西洋人は東洋人が考えられない程、世紀末思想にとらわれているということ 何がいいた…

金本位制の歴史、昭和恐慌と平成恐慌、インフレの輸出、超円高の理由、欧州経済の行く先:中村隆英「昭和恐慌と経済政策」講談社

この夏はもう一度金本位制について復習することにした。 世界の株式市場が軟調である一方、金(ゴールド)相場は右肩上がりである。 人はなぜいま金を買うのか? 我々は、再び金本位制、固定相場制度に戻ることは可能なのか? ドル円レートが、76円数十銭とい…

現在の新興国ブームとアジア通貨危機との違い

先進国の苦境をよそに新興国は好調だ。 理由は人口増というのが一番大きいと思われる。 ただそれを「出汁(だし)」に世界中のじゃぶじゃぶのマネーが新興国に流入している。 その資金を元に新興国の人たちの生活水準が上がっていく。 経済がグローバル化す…

増田悦佐のコメントが震災後あらゆる専門家の中で一番説得力がある

東日本大震災の後、原子力、放射線、エコノミストなど様々な分野の専門家が登場した。 しかし、かれらも平時では冷静な議論ができるが、有事ではそうはいかない。 専門家という職種は、基本は過去・歴史を振り返る限りはこうだとはいえる人種だ。 ただ、未来…

浜岡原発をとめさせた理由:「地震エコー」という地震予知

2011年5月30日付の日本経済新聞朝刊には恐ろしいことが書いてある。 「場所は特定できないがM7.3程度の地震が今後起きるレベル」 これは一体何のことを言っているのか。 北大の森谷武男博士のチームが、「地震エコー」と呼ばれるFM電波の伝搬異常を観測。 そ…

浜岡原子力発電所停止という選択肢とその理由

「浜岡原発 全面停止を要請」 いかにも菅直人らしい考えだ。 ただし、電力は一時的、場当たり的、感傷的な意思決定で乗り越えられる問題ではない。 エネルギー資源問題は国家の経済の根幹を決める重要な論点である。 電力の安定供給なくしては、経済が回らな…

視覚優位と聴覚優位:岡南「天才と発達障害」講談社

ガウディを視覚優位の人と片付けると見方を誤ります。 ガウディは、自分のイメージを周りの協力者と科学的根拠をもとに具体化していきます。 奇抜なデザインも、直線からなっていたり、カテナリーの複合だったりします。 自分の作品に対しても見る人にストー…

新潟日報社特別取材班「原発と地震 柏崎刈羽『震度7』の警告」講談社

中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発を地元紙が追ったものだ。 本書には、原発誘致の経緯、断層の隠ぺい疑惑、田中角栄への闇献金などがでてくる。 東日本大震災被災後に「日本は原子力発電をどうするか」を議論する上で必読の書だ。 中越沖地震後、柏崎刈羽原…

正しい放射性物質自己防衛マニュアル

報道での放射性物質への対応を花粉と同じように求めているのが異和感を覚える。 報道や出版されている内容の誤りも含めて訂正していく。 はじめに、危険区域の距離の決め方について。 放射性物質がほぼ無風状態(風速1メートル毎秒)で飛ぶ距離と放射線量で…

東日本大震災後のグランドデザインと今後起こり得ること(分散電源編)

震災で福島の原子力発電所が使えなくなり、電源を分散化させる議論が出てきた。 果たしてこれは正しい方向性か? 実は、分散電源化は歴史の流れに逆行することになる。 分散電源化は、これまでの日本が工業化し経済成長してきた歴史を否定することになる。 分…

難聴とMRI:小泉英明「脳の科学史」角川SSC新書

MRIの基本特許を日本の電機メーカーが持っていたとは知らなかった。 MRIの開発者兼脳科学者である小泉英明氏が、脳科学とMRIの歴史について書いている。 個人的には、MRIについては素人に最も分かりやすい本だと思う。 MRIで脳の可視化ができたことの進歩は…

東日本大震災後のグランドデザインと今後起こり得ること(クラウドサービス編)

今回の震災のもっとも悲惨だったのは津波による被害だ。 地震による直接の被害よりも、津波による被害の方が大きい。 原子力発電所も地震そのものの被害は少なかった。 津波で非常用電源が破壊されたことが現在原発で起きている問題の原因だ。 津波の被害は…

東日本大震災後のグランドデザインと今後起こり得ること(金融危機編)

歴史に学ぶとはよく言うが、今回はフレームワークで将来を予測してみよう。 「金融恐慌には、震災がつきもの」 それほど遠くない歴史から振り返ろう。 1995年1月17日、阪神淡路大震災発生。 1997年4月1日、橋本内閣は村山内閣時から内定していた消費税率アッ…

東日本大震災後のグランドデザインと今後起こり得ること(電力編)

今回の東日本大震災により、日本は幾つかの問題を突きつけられた。 発電能力としての原子力発電所のあり方 東日本の系統変電分散化の必要性 原子力発電なきあとの省エネ生活 政府は場当たり的な提案をするのではなく、東北地方を再構築する意気込みが欲しい…

国債JGBはいつ暴落するのか:小黒一正「2020年、日本が破綻する日」日経プレミアシリーズ

最近は国債が暴落するかどうかの記事が多い。 商業的にも売れる≒読者が興味がある、そうなる可能性を意識している という関係が成り立っているのだろう。 だとすれば、市場ですでに価格に織り込まれてもよさそうなのにそうなっていない。 ここが不思議な点だ…

秘密結社の本質は情報ネットワーク:慶應三田会やフェイスブックは秘密結社か?

秘密結社(シークレット・ソサイエティ)というとおどろおどろしい。 しかし、こう理解するとスムーズだ。 「秘密結社の最大目的は情報をいかに早くかつ正確にとるか」 現代のようにインターネットなどの通信手段がない時代を想像してみよう。 今回の東日本…

吉村昭「戦艦武蔵ノート」岩波現代文庫

吉村昭氏の戦艦武蔵 (新潮文庫) は以前読んで、 頭の栄養になる珍しい小説 と感じた。 その理由が、戦艦武蔵ノート (岩波現代文庫) を読んで理解できた。 吉村昭氏の取材のレベルが半端ないのである。 この取材記録は単なる記録ではない。 これ自体が戦艦武…

震災後になぜ円高になるの?

今回の震災でさすがに超円安になるとばかり思ってましたよ。 日本は震災後の復興に時間がかかって、世界の経済成長に取り残される。 したがって、日本売りというばかりに。 ところが、想定外の円高。 日経新聞なんかは、以下のようなロジックで説明していま…

今なぜ電力が足りないのか?夏はどれだけ電力が足りなくなるのか

(3月20日、4月16日の日経などの新聞報道の内容もとにアップデートしました) 各種報道によると、現在の東京電力の供給力は3350万KW。 原発1基の出力はざっくり100万KWだから、3350万KWというのは33基分にあたる。 現在東電は計画停電の実施時期を「4月末ま…

今原子炉で起きていること:炉内冷却が進まない本当の理由(その2)

すべてフィクションです。読者のコメントにより一部追加しました。 ************************************* 菅首相と枝野官房長官はいかに大震災の復興を進めるかを議論していた。 復興プロセスを間違えれば、次の選挙…

今原子炉で起きていること:炉内冷却が進まない本当の理由(その1)

今原子炉で起きていることは何が本当なのかよく分からない。 ただ報道内容と少しばかりの想像を加えてストーリーを組み立ててやることはできる。 私のバックグラウンドは、原子力工学、化学、冶金等ではなく、いわゆる仏文だ。 ただ、私はコンサルタントとし…

今原子炉で起きていること:なぜ注水がうまくいかないか

福島の原発で報道でされる注水作業。 注水作業がうまくいかない報道が多い。 ではなぜ注水作業がうまくいかないのだろうか。 理由は2点考えられる。 注水に関係する配管の不具合 蒸気圧のすさまじさ 1については、地震の激しい揺れで配管が伸縮性を維持でき…

今原子炉で起きていること:MITのDr.Josef Oehmenのコメントを批判的に読む

MITのDr.Josef Oehmenの福島の原子力発電所のメモを読了。 詳しくは↓を参照のこと。 http://bravenewclimate.files.wordpress.com/2011/03/fukushim_explained_japanese_translation.pdf 結論として、素人から見ても教科書通りの答えで、実務家のコメントで…

今なぜ電力が足りないのか?

(各種報道をもとにアップデートしています。4月10日現在) 計画停電の影響は凄まじい。 関東のにすむ人は電車にさえまともに乗れないという情況。 これでいかに原発が私たちの暮らしを支えていたのかが実感できたはず。 ただ、この電力不足問題は新聞で報じ…

今原子炉で起きていること:水素爆発、格納容器内海水注入

福島はまったくもって目が離せない状況だ。 日本の未来がかかっている。 ここでも報道されている内容と原子力発電の一般的な知識でより理解を深めたい。 「みるも無残な原子力発電所の建屋」 NHKの映像を見て驚いた。 原子力発電所の建屋が鉄骨の骨組みだけ…

今原子炉で起きていること:なぜ放射性物質を含んだ蒸気を放出するのか

(読者のコメントを一部反映しました) 「今もっとも大事なこと」 東日本大震災を受けて原子力発電の報道が盛んにされている。 しかし、一般の人には初めてなので理解しにくいことが多いだろう。 報道されている情報と原子力発電の一般的な知識をもって理解…