慶應義塾幼稚舎に入学するためには

幼稚舎と横浜初等部、株式投資ネタへのアクセスとPVが多いので、ここでは特化てみようとタイトルも変えました

林則行「株の絶対法則」(ダイヤモンド社)

私も先輩のファンドマネージャーによくこう言われたものです。

「株は変化をとらえろ。それが一番もうかる」

これは経験則からいうと確かにそうです。

その点ではこの本、「株の絶対法則」も同じことを言っています。

「ビッグ・チェンジ銘柄を買え」と。

これは大いに同意。

ところが、この本はそういったファンダメンタルズの変化を重要視しているだけではないです。

本書の大部分がテクニカルに重きが置かれています。

うーん、アブダビ投資庁はテクニカルで投資判断OKなんでしょうか。

相当疑問です。

「ファンダメンタルズのチェック=>テクニカルで安心感を得る」

という順番か、

「テクニカルでスクリーニング=>ファンダメンタルズのチェック」

という順番かというのは投資哲学としては違うと思いますがね。

本書は「チャートから有望銘柄」となっているので後者でしょう。

ファンドマネージャーとしては前世代のにおいがしますが、まあそこは豊富な経験談ということで。

リチャード・ルメルト「良い戦略、悪い戦略」(日本経済新聞出版社)

リチャード・ルメルト。

日本にはこんなシステムズ・エンジニアリングを分かるコンサルタントはいないからなぁ。

それにしても、データを駆使するコンサルタントの本がほとんど文字で埋め尽くされている。

つまり、これは人を説得するのに必要なデータはこれぞというものだけでよいということ。

コンサルタントやアナリストに過剰にデータを求めるクライアントや投資家が多いのだけれども、そういった人たちはコアになるコンセプトがないから不安なだけかもしれない。

コンサルタントは、システムが何かを理解していないといけないし、リソースの制限から「トレードオフ」の問題を念頭にアドバイスしなきゃいけない。

たしかルメルトはスタンフォード大で理系だったような。

こうした発想から、地に足のついた戦略はシステムズ・エンジニアリングのバックグラウンドが必要。

これはイノベーションを起こすというのとは全く別議論の話で、日本人でこの点を理解できている人は少ない。

コンサルや経営企画の人は必読。

ルイス・ガースナー「巨像も踊る」(日本経済新聞社)

IBM再建の立役者で有名な経営者。

ハーバードのMBA、マッキンゼー、アメックス、ナビスコといろいろ渡り歩いた経営者。

ところが、実のお兄さんはIBMのプロパーだったんですね。

本人も、ダートマスの工学部。

日本式にいえば、理系なんですね。

この本、実は日立やら富士通のIBMからの見え方がしっかり書かれていて面白いです。

日本人が読む場合には、ここが一番面白いんじゃないでしょうか。

敵、競合企業がどう見ているかというのは非常に重要かつ、日本人が下手なインテリジェンス。

高橋誠「ひらめきの法則」(日経ビジネス人文庫)

「お受験における着想力や発想力とはなにか」
非常にあいまいな評価軸だが、これをまじめに取り組んでいた人がる。

高橋氏は創造開発研究所代表。

キヤリアを見ると面白いんだが、1974年にこの創造開発研究所を設立している。

時代を先読みしすぎていて、感心してしまう。

さて、発想のプロセスには段階があるよというフレームワークで、世界中の発明者などの発明プロアセスを紹介。

世界中の発明者・作家などはクリエイティブになるには「儀式」があって、そのパターンが似ているものがあるし、過去「薬」に頼る人がいたりとどのようなプロセスを通じていたかを解説している。

さて、小さな子どものお受験にどこまで求めるのかという議論はあるが、着想力・発想力という評価軸でお受験が行われている以上、過去の例は検証されているはずであるし、こうした事前の調査は必要。

世界中の発想のプロセスを簡単に知るには便利。

ただし、イノベーションというより、発明に偏っているのが気になる。

ピーター・リンチ「株で勝つ」ダイヤモンド社

元フィデリティのファンドマネージャーのピーター・リンチによる銘柄選択やポートフォリオマネジメントを振り返った有名な本。

個人投資家は機関投資家の運用パフォーマンスに勝つことが可能である」という元機関投資家が書いた割には、身も蓋もない話になっているが、なぜこうした流れになったのかは疑問。

個人が機関投資家よりも有利な環境にあるというのは、消費財・外食産業など機関投資家のアナリストよりも早く成長する可能性があると感じるきっかけがあるという点だ。

ただ、本書は具体的な銘柄選択や調査方法を理解するのには実にイメージしやすい。

個人投資家がスマートに株式運用をはじめるのにはお薦め。

泉田良輔「日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか」(日本経済新聞出版社)

 

元フィデリティ投信の証券アナリストが書いた日本の電機産業の課題と将来展望。

さて、「日本の電機産業 何が勝敗を分けたのか」の内容。

電機メーカーの歴史を追い、なぜ現状のような事業ポートフォリオになっているかを解説。

電機メーカーだけではなく、どの会社も歴史に意思決定が縛られるという事実。

これでは経営者で会社が変わるといえどもなかなか変わらないよねという印象。

財務データを歴史とともに分析すればいろいろ見えてくるなということが分かります。

「キャッシュコンバージョンサイクル」は会社のバリューチェーンのどこに特色があるのかを教えてくれるきっかけになりますね。

そういえば、最近パナソニックNECもこの指標を説明会資料に入れてますね。

この本の影響ですかね。経営企画の人たちも相当影響されたかも。

また、この本は直接の表現をしていないけれども利益率が最終的には資金調達力の差を生み出す「システム・シンキング」を簡単に解説してくれてます。

バリューチェーントレードオフの問題を含むシステムだというシステムズエンジニアリングの考え方も含んでいます。

一度読んだだけでは気づかなかったなぁ。

最終章の電機メーカーへの具体的な処方箋をもっと語ってほしかった。

ただ、本に未来に起きるであろう具体的な話を書くと陳腐化するのも早いから、あえて書かなかったというのも理解できる。

 

チャールズ・エリス「キャピタル」(日本経済新聞社)

世界を代表する資産運用会社のキャピタル。

東海岸のフィデリティ、西海岸のキャピタルというような位置づけ。

(東のハーバード、西のスタンフォードとも言えるかもしれません)

さて、その世界でも有数の運用会社も、失敗を繰り返してきたという内容。

「アメリカン・ファンド」という投資信託が大きくなって、それ以外に手を出し、失敗も数々。

キャピタル・ガーディアンという年金運用は企業文化を移植できず失敗してます。

また、グローバル運用を目指したキャピタル・インターナショナルも一度は挫折しています。

それにしても知らなかったのはセコイヤキャピタルはもともとキャピタルが絡んでいたということ。

ここまでくると、すごいなぁといわざるをえません。

本書を読めば運用規模が拡大する中で成績を落とさない仕組みをどう作るかの鍵が書かれています。

基本は、ひとりで運用する額を制限するということのようです。

まあ、当然ですが、これを運用会社として仕組みにするのが難しい。

慶應義塾、幼稚舎ともに発想法にこだわりつつある!?

慶應の先生方と話をしていると、やはり新しいアイデアを求めているように感じます。

SFCはスタンフォード大のd.schoolの発想法を翻訳しているし、KMDも同じような考えでしょう。

ただし、アイデアの発想法自体は結構日本語でも解説がされているので学習は可能。

幼稚舎の受験においても、結局モノゴトをどう発想するかに重点が置かれているのも納得。

子どもの時からあらゆる発想を身につけておくのはマイナスではないよね。

図書館で借りあさって、目を通した中でも永田豊志の本が分かりやすかった。

それにしても、日本の社会はイノベーションに飢えているよね。

発想法の本質は潜在意識にある思い込みとは違う考えを引き出すこと。

これがすべて。

「どん底から生まれた宅急便」

「何かを生み出すことは、何かを捨てること」

これまでの事業の柱だった企業向けの配送業から撤退し、個人向け配送に。

普通の経営者はふつうはとることのできないリスク。

オーナー企業だったからできたということもできる。

ただ、トップが会社をどうしたいかを考え抜いた結果。

成功ストーリーには必ずリスクを取った話がある。

ZIBA Japan 濱口秀司氏の言わんとすること

濱口氏のプレゼンのインプリケーション。

結論からすると、バリューチェーンの工夫をしろということ」です。
イノベーションという言葉が使われすぎといってますが、仮に「SHIFT」で代替しても同じ。
これまで当然と考えられていた2軸が描き出す象限をシフトさせるというのです。
これは目新しさや、アイディアを出す作業としてはまあ主流です。
濱口氏は、BTCと言っていましたが、つまりはバリューチェーンです。
BはBusiness ... ビジネスモデル
TはTechnology ... 技術開発
CはCustomer ... 消費者体験、消費者満足度
ということで、どれもバリューチェーンに関するもので、これと言って目新しさはありません。
ビジネスモデルはバリューチェーンを工夫し、生み出されるので、リダンダントの気もします。
BTCの中で、圧倒的に欠けているのは、「デザイン」です。
私が言うなら、DTC = B
ですかね。

「Webライティング実践講座」

「ブログやサイトでどのようにしたら読者に上手にメッセージをとどけることができるか」

これを悩んでいるときに、とあるクリエイティブの方に進めてもらったのがこの本。
文章の書き方の訓練を受けたわけでもない私には、コロンブスの卵のよう。
「ズームイン」と「ズームアウト」、「パン」
上手な作家は、文章でカメラワークができている、仕組まれているということ。
阿久悠作詞の「宇宙戦艦ヤマト」の分析はお見事。
早速まねるように努力してみる。

「業界研究シリーズ 化学」

日本の化学業界の復習。

日本の化学メーカーの歴史や生い立ちとグローバル企業との比較に最適。

最初にとっかかるのには、最適。

電子材料の活躍ぶりをみて、いけている産業と思ってましたが、順序が反対。

エチレンなどの汎用品で世界に敗れ、先に高付加価値品に事業をシフト。

電機メーカーや自動車メーカーにとっては、化学産業は先輩ということか。

その化学産業も、これまで世界で勝ち進んできた顧客が次々と破れました。

この後はどういう生き方を選ぶのか模索中。

ビジネスモデル(しくみ)か、

技術か、

それともB2Cに打って出るのか。

思索を巡らすには実に面白い。

「四大占術でみる誕生日大辞典」

「なんだ、占いか」
とおもい、
「どうでもいいや」

と思いてにとってみると、、、

不思議です。
実に面白い。
よく当たっているように思えます。
このからくりどう料理しましょうか。
家族みんなの誕生日をあたってみましたが、あたっているような気が。
こういうたぐいの本のすごいところは、漏らさず踏み込みすぎずに書くことかな。
自分の執筆やプレゼンの参考にしようかなぁ。
肝がなんだか言った全体さっぱり分からん。
実に面白い。

出版業界の仕組みが少しずつ分かってきました

いやー、いまとあるテーマで出版社の方と話をしてます。

本を出版するためです。

私の提案している内容はビジネス書という範疇にはいるようです。

ビジネス書のビジネスモデルを教えていただきました。

「書店さんに圧倒的なリーチをもって、出版と同時に売る・売りきる」

これが鉄則のようです。

これはおそらく、ビジネス書の賞味期限が短いからでしょう。

八百屋や魚屋のようなモデルだなと。

小売業界を分析していた時には、こういう業態は粗利益率が高くないとだめなんですが。

どれくらい利益率を稼いでいるんでしょうか。

売れない本は裁断していますから、そのコストもどう見たらいいんでしょうか。

裁断ロスというやつです。

一方で、ゆっくりとじっくり読んでもらえる本もあるので、そちらは直販だったりするようです。

こちらは書店さんと一緒にじっくりとりくんで棚作りを考えていくようです。

本のジャンルの考え方なんでしょうね。

ビジネスで普遍的な本というのはないんでしょうかね。

最初に話し始めて、既に2か月が経ってしまいました。

さて、そろそろうまくいきますかね 祈。

慶應横浜初等部の説明会:フェアであること、それがすべて

(2012年9月20日アップデート:9月19日の清家塾長のスピーチを反映)

横浜初等部の説明会で何も具体的な話がなかったと騒いでおられる。

これは、当たり前です。 

現場もこの学校を「具体的に」どうしたいかを毎時悩んでいるわけです。

現状、「こうだ」と明言できるものは先生方には有りません。

学校の方針はこうだと言い切れるのは歴史のなせる業です。

横浜初等部にはその歴史がありません。

新規参入組は、コンセプトでサプライズを出せなければ存在意義はありません。

授業料だってもろもろを含んで180万円を超えるのですから。

入学金34万、授業料94万、施設設備費45万等など。

(給食が出るのは親は楽ですね)

図書館がきれいだとか、英語の授業をするとか、それって有意な差とはいえないでしょう。

また、慶應、とくに横浜初等部はフェアであることをもっとも重視しています。

それが幼稚舎との最大の違いです。

クラス数が一クラス少ないのは、コネクラスが1クラス少ないことを意味します。

(これぐらいは推測しましょうね)

説明会で何も言わないのはフェアディスクロージャーを重視しているからです。

必要があればウェッブサイトに掲載するという方針。

いいじゃないですか。

フェアで。

ところで、9月19日に清家慶應義塾塾長のお話しをお伺いする機会がありました。

彼の最大の関心事は、この複雑化した社会のシステムをどう再構築するかです。

パーツだけの議論では、世の中の問題は簡単に解決できなくなっています。

これらの課題をクリアーできる人材が必要と訴えておられました。

特に塾長の専門は労働経済学です。

少子高齢化が進む日本(他の先進国も同様ですが)のグランドデザインをどう描くか。

こういった大きな問題を解くことのできる人材を慶應は求めているのだそうです。

願書では子供には社会的問題を解決できる人材になってもらいたいと添えたいですね。

原発を2030年までにゼロにするという影響は原発問題にとどまりませんでした。

米国からは使用済み核燃料の話から核兵器の話まで膨らんだと思います。

プルサーマル政策なき後の日本にそんなに核を持たせてよいのかと。

つまり、エネルギー・電力問題から安全保障の問題までからんでいることを意味します。

清家塾長が、社会はより複雑化しているとの意味はこういった例が表しています。

また、福澤諭吉は「実学」を非常に重んじていました。

清家塾長がおっしゃっていたのは、「実学」とは「実証科学」のことであると。

現在のサイエンスという言葉に科学と名付けたのは福澤諭吉だそうです。

再現性のある論理展開は一番説得できる方法ですものね。

話はそれましたが、今回の入試の唯一の差別化は

①湘南藤沢の中学の入試問題の分析↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

應義塾湘南藤沢中等部 25年度用 (中学校別入試問題シリーズ O7)

②湘南藤沢出身の大学生を家庭教師で雇い、湘南藤沢の先生の傾向と対策を練る

福澤諭吉の理解を深める

これしかありません。

いいじゃないですか、横浜初等部。

お手並み拝見と行きましょう。